憧れのギタリストの音を出したい! そう思って、彼らと同じ機材を揃えてみたけれど…

「なんか音が違う…」 「機材は同じなのに、あの感動的なトーンが出ない!」
それは、機材の「使い方」と「組み合わせの意図」を知らないからです。 プロのエフェクターボードには、偶然置かれたペダルなんて一つもありません。すべてに「必然的な理由」があります。
今回は、ジミ・ヘンドリックスからデヴィッド・ギルモアまで、歴史を作ったレジェンドたちのボードを解剖し、現代の私たちが「盗めるテクニック」を中古専門店が徹底解説します。
1.ジミ・ヘンドリックス:全ての基本はここにある
まずは、エフェクターの神様、ジミ・ヘンドリックス。 彼のボードは非常にシンプルですが、「エフェクター接続順の教科書」と言える完璧な構成です。
1.Wah Pedal(ワウ)
2.Fuzz Face(ファズ)
3.Uni-Vibe(揺れもの)
4.Marshall Amp(マーシャルアンプ)
ここを盗め!】ファズとワウの関係
ジミヘンの音の秘訣は、「ワウ → ファズ」という順番です。 普通、ファズは先頭に繋ぐのがセオリーですが、彼はあえてワウを前に置くことで、あの叫ぶような強烈なリードトーンを作りました。 (※ただし、相性問題でノイズが出ることもあるので、現代の機材でやるならバッファ入りワウを使うのがコツです!)
2.エリック・クラプトン:引き算の美学
「ギターの神様」クラプトン。 クリーム時代の彼は、「アンプをフルアップにして歪ませる」というロックの基本を作りました。
【ここを盗め!】手元のボリューム活用術
彼のボードには、歪みエフェクターがほとんどありません。 その代わり、ギター本体のボリュームとトーンを頻繁にいじります。 「歪みは足元で作るな、アンプと指で作れ」。 良いアンプ(またはアンプライクなペダル1個)があれば、余計な機材はいらないという究極の教えです。
3.デヴィッド・ギルモア(Pink Floyd):空間系の魔術師
「音の壁」を作るギルモアのボードは、巨大な要塞のようです。 しかし、その核にあるのは「ビッグマフ(ファズ)とディレイの組み合わせ」です。
【ここを盗め!】ディレイで厚みを作る
ギルモアのソロが伸びやかで美しいのは、ファズで太くした音に、「300ms〜400ms程度のディレイ」を薄くかけているからです。 歪んだ音にディレイをかけると音が濁りがちですが、彼はディレイの音量(Mix)を下げ目に設定することで、「やまびこ」ではなく「音の厚み」として使っています。 これは、初心者でもすぐに真似できるテクニックです。
The Edge(U2):ディレイを「楽器」にする
U2のエッジは、ディレイを「残響」ではなく「リズム楽器」として使ったパイオニアです。
【ここを盗め!】付点8分ディレイのマジック
彼のような「タタ・タタ・タタ」というリズミカルな音を出したいなら、ディレイタイムを「付点8分音符」に設定してください。 自分が「タン・タン」と弾くだけで、ディレイ音が隙間を埋めてくれ、まるで高速でアルペジオを弾いているように聞こえます。 最近のデジタルディレイ(BOSS DD-8など)なら、モードを選ぶだけで簡単に再現できます。
5.現代のボード構築に応用するには?
レジェンドたちの技を、現代のボードに取り入れるならこうです。
クラプトンのように、信頼できるアンプライクなペダル(BOSS OD-3やBD-2)を1個置く。
ジミヘンのように、ここぞという時の「ワウ」か「ファズ」を1個足す。
ギルモアのように、薄くディレイをかけっぱなしにして、音に艶を出す。
あれこれ詰め込む前に、まずはこの「3点セット」から始めてみてください。 プロの音に近づく最短ルートは、意外とシンプルなのです。
まとめ:真似から始まるオリジナル
「守破離(しゅはり)」という言葉があります。 まずは型を守り(真似をして)、それを破り、最後に離れてオリジナルになる。
憧れのギタリストのボードを真似することは、決して恥ずかしいことではありません。 そこには、彼らが一生をかけて見つけた「良い音の正解」が詰まっているからです。
あなたも、巨人の肩に乗って、新しい景色を見てみませんか?

