Mrs. GREEN APPLE「青と夏」の音作り完全ガイド!

音作り・実践テクニック

1. Mrs. GREEN APPLEのサウンドの特徴とは

彼らの音楽ジャンルとスタイル

 Mrs. GREEN APPLEは、ポップロックを基盤にしつつも、多様なジャンルを取り込んだ楽曲で知られています。明るいメロディーラインと疾走感のあるサウンドが特徴で、エネルギッシュなパフォーマンスが若い世代を中心に人気を集めています。また、バンドサウンドに電子的な要素を加えたり、繊細なアレンジを施すことで、幅広いリスナーに親しまれています。

代表曲から見る音作りのポイント

 代表曲である「青と夏」では、心地良いギターのカッティングや疾走感のあるリズムセクションが際立っています。ギターサウンドではシンプルながらも重厚感のあるコード進行が採用され、特にコードの切り替えと強弱のつけ方が楽曲のダイナミズムを際立たせています。また、エフェクターを使った空間的なサウンドは、夏の爽快感や解放感を引き出すための重要な要素とされています。

青と夏(通常盤)
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コアとなるサウンドエッセンス

 Mrs. GREEN APPLEの楽曲におけるコアなサウンドエッセンスの一つは、ギターとボーカルの絶妙な融合です。「青と夏」では、若井滉斗によるギターが楽曲の屋台骨を形成し、カッティングやアルペジオを駆使して楽曲全体に動きをもたらしています。そして、そこに大森元貴の伸びやかなボーカルが重なり、夏の日の眩しさと青春の瑞々しさを表現しています。加えて、サウンド全体を支えるリズムセクションが一体感を生み出し、圧倒的な完成度を実現しています。

2. ギターの音作り:キーポイントと使用機材

ギター機材の選び方

 「青と夏」のギターサウンドを再現するには、きらめきと疾走感を両立させる機材が求められます。具体的には、ギター本体はシングルコイルピックアップが搭載されたモデルがおすすめです。シングルコイルはクリーンでシャープな音色が特徴で、この楽曲の煌びやかで爽やかなサウンドメイクには最適です。また、弦には軽めのゲージを選ぶことでプレイのしやすさと音抜けの良さを確保できます。さらに、ピックはCLAYTONの0.38mmの薄いタイプを使用すると、ダウンストローク主体の演奏でもスムーズなアタック感を得ることができます。

Clayton USA Ultem Gold 0.38mm スタンダード ピック×12枚
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若井滉斗の使用機材とセッティング例

 Mrs. GREEN APPLEのギタリスト若井滉斗は、その卓越した音作りで楽曲に命を吹き込んでいます。「青と夏」のギターサウンドを再現するために注目したいのは彼が愛用している機材です。例えば、アンプシミュレーターとして使用されているKemper Profiling Amplifierは、多彩なアンプモデルの音色を再現できる優れた機材です。また、ディレイエフェクターのstrymon TIMELINEや、リバーブエフェクターのBOSS RV-500を駆使することで、「青と夏」の透明感のある空間的なサウンドを形作っています。若井滉斗のセッティング例として、高音域を強調しつつ中低域に少し余韻を加える設定を取り入れると、近いサウンドに迫ります。アンプはOrangeのアンプを好まれています。Orange Rockerverb 100、AD30などが良いでしょう。

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エフェクターの役割と重要性

 「青と夏」の特徴的なギターサウンドには、エフェクターの活用が欠かせません。特にコンプレッサーは一定の音量を保つために重要な役割を果たしており、若井滉斗もWampler Pedals Ego Compressorを使用しています。これにより、カッティングプレイやリズムの速いパートでも音が埋もれることなく、全体のサウンドバランスが保たれます。また、ディレイやリバーブといった空間系エフェクトは楽曲に広がりを持たせ、聴き手に爽快感を与えます。「青と夏」のギターサウンドを再現するには、これらのエフェクターの設定を細部まで調整することがポイントとなります。

Ego Compressor ギターエフェクター
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アンプの設定:音圧とバランスを調整する方法

 アンプの設定は、「青と夏」の疾走感と煌めくサウンドを作り出すうえで重要です。曲全体のバランスを壊さず、しっかりとした音圧を確保するためには、トーンコントロールを駆使する必要があります。具体的には、低域を抑えすぎないようにしながら、中音域をやや強調すると、ギターサウンドが楽曲内で際立ちます。また、パワーアンプとしてSYNERGY AMP SYN5050のような高性能機材を取り入れることで、全体の音圧を適切にコントロールできます。「青と夏」のギターアレンジにはスピード感が欠かせないため、適切なアンプ設定がそのサウンドの完成度に大きな影響を与えます。

3. リズムセクションの作り方:ベースとドラムの設定

ベースの音作りで意識するポイント

 「青と夏」におけるベースの役割は、リズムの安定と楽曲全体の疾走感を支えることです。この曲では特に、音のアタック感とローエンドのバランスが求められます。ベースの音作りでは、やや控えめにサチュレーションを加えることで、馴染みやすいサウンドを目指しましょう。ピック弾きの場合はミッドレンジを強調し、指弾きの場合はローエンドをしっかりと押し出す設定がおすすめです。おすすめのEQ設定は下記の通りです。

Low(50–80 Hzあたり):+1〜+2で低域をマイルドに補強

Low-Mid(200–400 Hz):少しブーストして「芯」を強調

High-Mid(800–1200 Hz):アタック感を出すために微調整

High(2kHz〜):フラットか軽く上げて音を抜けやすく

ドラムパターンとリズムの特徴

 ドラムは「青と夏」の持つエネルギッシュな雰囲気を確立する要素となっています。特に8ビートの疾走感を活かしつつ、リムショットやハイハットの繊細なアクションで楽曲に躍動感を与えています。また、サビ部分ではスネアやキックのアタックが強調されており、全体の展開にメリハリをつけることが重要です。この曲の特徴的なドラムパターンを再現するには、ダイナミクスの細かい表現を意識すると良いでしょう。

ベースおすすめ使用機材

 リズムセクションを再現するには、リアルな音を再現可能な音源や機材の選択が重要です。ベースに関しては、

プリアンプ:SansAmp BDDI、Darkglass Microtubes B7K

コンプレッサー:MXR M87 Bass Compressor

アンプ:Ampeg SVT系、Hartke、Markbass(明るく抜ける音が作りやすい)

また、ベースとドラムのプレイ感を統一するために、軽くコンプレッションをかけてダイナミクスを整えるのがおすすめです。

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リズム全体の一体感を出すコツ

 楽曲全体の一体感のカギは、ベースとドラムが相互に補完し合う関係を築くことです。「青と夏」では、ベースがキックと連動することでタイトな低域が形成され、楽曲が一体感を持つのが特徴です。これを再現するためには、ベースのEQ設定でキックの周波数(50~100Hz付近)とかぶらないよう調整し、それぞれの音がクリアに聴こえるよう工夫しましょう。また、全体の空間を整えるためにリバーブやディレイを薄くかけるのも効果的です。適切な空間系エフェクトを使用することで、リズム全体をより自然かつ躍動的に仕上げることができます。

4. ボーカルとコーラスの魅力を引き出す方法

ボーカルに合ったエフェクト選び

 「青と夏」のようなエネルギッシュで爽快感のある楽曲では、ボーカルの質感を生かしつつ、クリアな響きを強調するエフェクトが重要です。Mrs. GREEN APPLEのボーカル、大森元貴さんの持つ声の透明感や力強さを再現するためには、リバーブやディレイを適切に活用することがポイントです。

 例えば、ディレイはテンポ感を意識した柔らかい設定を選び、全体を包み込むようなリバーブを合わせることで、楽曲の立体感を引き出せます。また、トーンバランスにも配慮し、EQで中音域を少し強調することで混ざりやすくなるでしょう。

大森元貴の歌声を再現するために必要な技術

 大森元貴さんの歌声は、伸びやかさと力強さが特徴的です。この特性を再現するためには表現力豊かな発声とミックス技術が求められます。まず、しっかりと腹式呼吸を意識して安定感のある発声を心がけましょう。また、高音域に向かっていく際に張り上げすぎない軽やかな声の使い方を練習すると、彼の独特な伸びやかなニュアンスに近づけることができます。

 録音時には、コンプレッサーの適切な設定が欠かせません。コンプレッサーを使用して音量のムラを抑えることで、ボーカルが楽曲全体の中でもしっかりと前に出るようになります。ただし、圧縮しすぎないよう繊細に調整し、大森さんのような動的な歌声の抑揚を生かすことがポイントです。

コーラスで楽曲を際立たせる方法

 「青と夏」では、ボーカルと一体となったコーラスが楽曲全体の爽やかな雰囲気を大きく支えています。コーラスの役割はあくまで主旋律を引き立たせることであり、主旋律を邪魔しないバランスが重要です。基本的には主旋律と同じリズムやフレーズで軽くハモる形を意識し、音域を広げすぎないよう心がけましょう。

 また、Mrs. GREEN APPLEの楽曲では、コーラスに若干のディレイやリバーブを加えることで空間的な広がりを出しています。リズムギターやベースと混ざり合うことで、疾走感を保ちながらも全体的なボリューム感を埋めています。特に「青と夏」のようにサビが印象的な曲では、聴き手にインパクトを与えられるよう、コーラスに少しだけ高い周波数成分を含ませると、煌びやかで爽やかな印象がさらに際立ちます。

5. トータルミックスの重要性

楽器同士のバランスを整える方法

 「青と夏」のように疾走感がありつつも洗練されたサウンドを実現するには、楽器同士のバランスを整えることが非常に重要です。Mrs. GREEN APPLEの楽曲ではギター、ベース、ドラムがそれぞれの役割を果たしつつ、全体のアンサンブルとして一体感を保っています。具体的には、ギターのカッティングやストロークが他の楽器を埋めないよう周波数帯を明確化し、特に中音域を整理することがポイントです。また、ベースとドラムのリズムセクションが曲の土台となるため、それらの音量バランスをメインにモニタリングしながら周波数帯の調整を進めることが推奨されます。

空間系エフェクトの活用法

 「青と夏」の自然な広がりと奥行きを感じる空間感は、リバーブやディレイなど空間系エフェクターの巧みな活用によるものです。特にギターではstrymonのTIMELINEやBOSSのRV-500のような高品質のエフェクターを使用することで、広がりを持たせながらも音像がぼやけることを防ぐ設定が大切です。また、パラメータ設定としてはリバーブのミックス値を中程度に留め、ディレイタイムを楽曲のBPMに合わせて設定することで、楽器同士が干渉せずクリアな音場を保つことができます。「青と夏」の疾走感を活かしながら余韻を加えるには、このような細やかなエフェクト設定が効果的です。

ダイナミクスを生かしたミックステクニック

 「青と夏」の持つエネルギー感を最大限に引き出すには、ダイナミクスの調整がカギとなります。特に、疾走感の中に緩急をつけ、曲全体のエモーショナルな展開を際立たせるため、コンプレッサーやリミッターを用いてダイナミクスを適切にコントロールすることが重要です。例えば、若井滉斗が使用しているWampler Pedals Ego Compressorのようなコンプレッサーを使えば、ギターのアタック感とサステインを調整し、音像に一貫性を持たせることが可能です。また、全体のミックス段階では、各楽器のピークを抑えつつも楽曲全体に迫力をもたせるよう心掛けると、Mrs. GREEN APPLE特有の躍動感ある仕上がりを作ることができます。

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