ロックギターの歴史における「顔」といえば、間違いなくこれです。 丸くて、少しとぼけた表情のようなツマミ配置。Fuzz Face(ファズフェイス)。
伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが愛用したことで有名ですが、オリジナルのサイズは「洗面器」と言われるほど巨大で、現代のエフェクターボードにはとても入りません。

「音はそのままで、小さくならないかなぁ…」
そんな全ギタリストの願いを叶えたのが、この「Fuzz Face Mini FFM3(ターコイズ)」です。 今回は、ただ小さくなっただけではない、現代の実戦仕様に進化したこの「青い顔」の実力と、ファズフェイスを使うなら絶対に知っておくべき「手元の魔術」について解説します。
1.なぜ「赤(ゲルマ)」じゃなくて「青(シリコン)」なのか?
Fuzz Face Miniにはいくつか種類がありますが、初心者にまずおすすめしたいのが、この「FFM3(ターコイズブルー)」です。 理由は、心臓部であるトランジスタに「シリコン(BC108)」を使っているからです。
| 種類 | 赤(ゲルマニウム) | 青(シリコン) |
|---|---|---|
| 特徴 | 暖かくて太い音 | ジャリッとした攻撃的な音、きらびやか |
| 弱点 | 温度に弱い、夏と冬で音が変わる | 特になし(安定している) |
赤い方は「気温」に左右されるため、野外ライブや照明の暑いステージでは音がショボくなるリスクがあります。 しかし、この青いFFM3(シリコン)は環境に左右されません。 いつでもどこでも、あの「ジミヘンの攻撃的なリードサウンド」が安定して出せる。これが最大の強みです。
2.魔法の現象「鈴鳴り(すずなり)」を出そう
Fuzz Faceを買って、FUZZ(歪み)をMAXにして「ジャーン!」と弾く。 それも最高ですが、それだけではこのペダルの50%しか使っていません。
真骨頂は、ギター本体のボリュームを少し絞った時に訪れます。
クリーントーンに変わる!
これを「鈴鳴り(クリーンアップ)」と呼びます。 エフェクターを踏み変えることなく、手元の操作だけで「爆音ソロ」から「美しいアルペジオ」まで行き来する。 これこそが、ジミ・ヘンドリックスが愛したファズフェイスの魔法です。
3.現代のボードに優しい「3つの進化」
ヴィンテージのFuzz Faceは不便の塊でしたが、Miniシリーズは現代のギタリストのために改良されています。
- ACアダプター対応 昔のは電池しか使えませんでしたが、これはパワーサプライ(9V)で動きます。
- LEDライト搭載 「今ONなのかOFFなのか分からない」という悲劇がなくなりました。
- 電池交換がラク 裏蓋をドライバーで開ける必要がなく、手でパカっと開けられるバッテリーボックスが付いています。
「ヴィンテージの音は欲しいけど、利便性は捨てたくない」。 そんなワガママな現代っ子(私たち)に完璧に寄り添ってくれています。
4.【重要】繋ぐ場所に注意!
ここだけは注意してください。 いくら中身が進化しても、回路は昔のままです。 つまり、「インピーダンス(抵抗値)の問題」があります。
必ず「ギターの直後(一番最初)」に繋いでください!
ワウペダルやチューナーの後ろに繋ぐと、あの「鈴鳴り」ができなくなったり、音がペラペラになったりします。 「ファズフェイスは王様。一番良い席(先頭)に座らせる」。 これだけ守れば、最高の仕事をしてくれます。

まとめ:この「顔」を相棒にしよう
コンパクトで、音が良くて、見た目もカワイイ。 FFM3は、初めてのファズフェイスとして、これ以上ない選択肢です。
ボードの一番右端に、この青い顔を置いてみてください。 そして、ギターのボリュームを絞った時の「あの美しい音」を体験してください。 きっと、「歪みエフェクターの概念」が覆るはずです。




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