ピンポーン。(宅配便のチャイム) 「お届け物でーす」
その瞬間、あなたの背中に冷や汗が流れませんか? リビングにいるパートナーからの、この一言が怖いからです。

ねえ、またなんか届いたけど。 この前のと何が違うの? 全部同じに見えるんだけど。
ギタリストにとってエフェクターは「宝物」ですが、家族にとっては「足元に散らばる高い鉄の箱」でしかありません。 今回は、家庭の平和を守りながら、欲しい機材を手に入れるための「家庭内プレゼン術」と「予算管理」について、実体験をもとに解説します。
1.前提:家族にとって、それは「ガラクタ」である
まず、悲しい現実を受け入れましょう。 私たちが「このヴィンテージの塗装が…」「このICチップが…」と熱弁しても、興味のない人には全く伝わりません。
「これは伝説のオーバードライブ!中音域の粘りが最高で、一生モノの音が出るんだ!」
「汚れた緑色の箱。2万円? は? そのお金で美味しいご飯が何回食べられると思ってるの?」
つまり、スペックで説得しようとするのは完全な悪手です。 説得に必要なのは「音の良さ」ではなく、「この買い物が、家庭にとっていかに害がない(あるいは有益か)」というロジックです。
2.必殺のルール「ワン・イン・ワン・アウト」
私が妻(我が家の財務大臣)と結んでいる、最も強力な条約がこれです。
「1つ買いたければ、今ある機材を1つ売って資金を作ること」
これなら、家計からの持ち出しは最小限(あるいはプラス)になります。 「メルカリで前のエフェクターが高く売れたから、そのポイントで交換しただけだよ。実質0円だよ」 この魔法の言葉「実質0円」。これで多くの危機を乗り越えられます。
3.プレゼンは「機能」ではなく「未来」を語れ
新しい機材が欲しい時、どうプレゼンしていますか? 「音が良いから」では却下されます。「それを買うと、どんな良い変化が起きるか」を語りましょう。

このペダルはトゥルーバイパスで、バッファが優秀で…」

「知らんがな」

「これがあると、大きな音を出さなくてもヘッドホンで良い音で練習できるんだ。だから、夜も静かに練習できるし、ストレス解消になって仕事も頑張れるよ」

「静かになるならいいか…」
ポイントは、「家族へのメリット(静かになる、機嫌が良くなる)」を匂わせることです。
4.究極の言い訳「他の趣味より安い」
それでも「高い」と言われたら、アンカリング効果(比較)を使いましょう。
- ゴルフの場合: 道具代+プレイ代+飲み代 = 月数万円〜
- 車・バイクの場合: パーツ代+維持費 = 桁違い
- エフェクターの場合: 1万円(しかも売れば戻ってくる)
「外で飲み歩くより、家でこの箱をいじってる方が安上がりだし、安心じゃない?」 この殺し文句で、自宅警備員としての正当性を主張しましょう。
まとめ:感謝の言葉を添えて
色々と書きましたが、一番大事なのは「家族の理解があってこそ、趣味が楽しめる」という感謝を忘れないことです。
新しいエフェクターを買った日は、浮いた気分で家族サービスもする。 そうすれば、奥様も「まあ、あなたが楽しそうならいいか」と思ってくれる……かもしれません。
さあ、今日は帰りにケーキでも買って帰りましょう。 (そして、こっそり届いた機材をボードに組み込むのです)



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