
プロ・アマ問わず、ギタリストの足元を見ると、かなりの確率で転がっている「青い箱」。 BOSS BD-2、通称「ブルースドライバー」です。

「名前が『ブルース』だから、渋い音楽をやる人向けのエフェクターでしょ?」 「ロックやポップスには合わないんじゃない?」
もしそう思っているなら、あなたは人生の半分……いや、ギター人生の8割を損しています。 はっきり言いましょう。こいつは「ブルースドライバー」という名前をした、最強の「万能プリアンプ」です。
今回は、発売から30年近く経っても売れ続けるこの怪物の正体と、現場で使える「裏セッティング」について、中古エフェクター専門店が本音で語ります。
1.最初に言っておく。「ブルース専用」ではない
このペダルの最大の誤解は、そのネーミングです。 「ブルースドライバー」という名前ですが、泥臭いブルースだけが得意なわけではありません。
- ジャキッとしたオルタナティブ・ロック
- 轟音シューゲイザー
- 歌モノのバッキング
これら全てに対応できます。 実際に、BUMP OF CHICKENの藤原基央氏や、田渕ひさ子氏(NUMBER GIRL)など、ブルースとは程遠いジャンルのギタリストたちが愛用しています。
2.誰も教えてくれない「TONE」の罠
BD-2を買って「なんか音がキンキンして痛いな…」といって手放してしまう初心者が後を絶ちません。 それもそのはず。このペダルの「TONE(トーン)」ツマミは、普通の感覚でいじってはいけないのです。
BD-2のTONEは「9時〜10時」が基本!
普通のペダルは「12時」がフラットですが、BD-2の12時は「かなりトレブル(高域)強め」です。 特に日本のスタジオに必ずあるアンプ「Roland JC-120(ジャズコ)」で鳴らす場合、TONEを12時にすると耳に刺さる音になります。
怖がらずに、TONEを左に回しきってから、少しずつ上げていくのが、BD-2攻略の最短ルートです。
3.あなたの「下手さ」を暴く、残酷な鏡
BD-2が「名機」と呼ばれるもう一つの理由。 それは、「ピッキングのニュアンスを拾いすぎる」ことです。
・TS系(緑色の箱など): 音が圧縮(コンプ)されるので、弱く弾いても強く弾いても、ある程度均一な「上手い音」にしてくれる。
・BD-2: 弱く弾けばクリーン。強く弾けば激しく歪む。ミスしたらミスの音がそのまま出る。
つまり、BD-2を使って良い音が出ないなら、それは機材のせいではなく、あなたの右手の問題かもしれません。 ごまかしが効かない分、このペダルで練習すれば、確実にピッキングコントロールが上達します。「右手の養成ギプス」としても優秀なのです。
4.当店でも「在庫リスク」がゼロな理由
中古ショップの視点でお話しすると、BD-2は「最も安心して買い取れるペダル」の一つです。
このサイクルが完成されているため、需要が尽きることがありません。 中古市場でも値崩れしにくいので、試しに買って、合わなければ売る。このハードルが極めて低いのも魅力です。
まとめ:1台持っておけば「何とかなる」
- メインの歪みとして
- 歪んだアンプをさらにプッシュするブースターとして
- クリーンなアンプに「味」をつけるプリアンプとして
これほど使い道が多く、頑丈で、どこでも買えるペダルは他にありません。 「青い箱」を食わず嫌いしていたあなた。 騙されたと思って、TONEを絞り気味にしたBD-2を一度踏んでみてください。
きっと、「あ、これCDで聴いたことある音だ!」と感動するはずです。



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