突然ですが、あなたのエフェクターボードを見てください。 数万円の高級なエフェクターを繋いでいるそのケーブル、「何百円かの安物」じゃありませんか?

「えっ、音が出れば何でも一緒じゃないの?」 「カラフルな細いケーブルが安かったから…」
はっきり言います。それは、高級スポーツカーに「軽自動車のタイヤ」を履かせているのと同じです。 シールドやパッチケーブルは、サウンドを運ぶ「血管」です。ここが詰まっていれば、どんなに良い機材も実力を発揮できません。
今回は、ノイズや音痩せに悩むあなたへ、中古エフェクター専門店が「ここだけはケチってはいけない」ケーブル選びの鉄則を解説します。
1.なぜ「安物」を使ってはいけないのか?
初心者セットについてくるオマケのシールドや、ワゴンセールで売っている激安パッチケーブル。 これらを使う最大のリスクは、音質以前に「トラブルの元凶になる」ことです。
- 断線しやすい ライブ本番でいきなり音が出なくなる恐怖。原因の8割は安物のケーブルです。
- ノイズを拾う 「ジーーッ」という嫌な雑音。安物は外からの電波(ノイズ)を防ぐ「シールド(盾)」の性能が低いのです。
- 音が痩せる 高音が削れて、モコモコした元気のない音になります。
「高いケーブルを買え」とは言いません。 しかし、「最低限の基準(スタンダード)」を使わないと、あなたは自分のギターの本当の音を知らないまま終わってしまいます。
2.迷ったらこれ!「業界標準」の3大メーカー
では、何を買えばいいのか? プロの現場でも使われていて、なおかつ財布に優しい「間違いのないメーカー」を3つ紹介します。
① CANARE(カナレ)|日本のスタンダード
- 【特徴】 安い・丈夫・クセがない
- 【おすすめ】 GS-6
日本のスタジオやライブハウスで、これを見ない日はありません。 非常にフラットな音質で、耐久性は最強クラス。しかも安い。 初心者はまず、ギターからボードまでの長いシールドをこれに変えてください。世界が変わります。
② BELDEN(ベルデン)|ロックの王道
- 【特徴】 中域が太い・ロックな音
- 【おすすめ】 9395 / 8412
「ジャキッ」としたロックな音が好きならベルデンです。 特に「9395」という型番は、ギターの美味しい帯域(中高域)が前に出るので、バンドの中で音が埋もれません。
③ Providence(プロビデンス)|取り回し最強
- 【特徴】 柔らかい・ノイズに強い
- 【おすすめ】 LE501 / P203
ボードの中を這わせるなら、柔らかいプロビデンスが優秀です。 特にパッチケーブル(P203)は、プロのボード構築でも定番中の定番です。
3.パッチケーブルの「プラグ」にこだわれ
エフェクター同士を繋ぐ短いケーブルを「パッチケーブル」と呼びます。 ここで初心者がやりがちなミスが、「プラグの形状」を気にしないことです。
・ストレート(直)プラグ: 場所を取るため、エフェクター同士の間隔が開いてしまう。
・L型プラグ: 省スペースで接続できるため、ボードにたくさんエフェクターを詰め込める。
ボードを組むなら、基本はすべて「L型プラグ」で統一しましょう。 これだけで見た目がスッキリし、トラブルも減ります。
4.最新トレンド「ソルダーレス」とは?
最近、SNSで見かける「綺麗なエフェクターボード」。 その多くは、「ソルダーレスケーブル(Free The Toneなど)」を使っています。
「あと数センチ短ければ綺麗に収まるのに…」というストレスから解放されます。 少し値段は高いですが、本気でボードを組むなら最強の選択肢です。
5.寿命を伸ばす「八の字巻き」
最後に、シールドを長持ちさせるプロの技を伝授します。 スタジオでシールドを片付ける時、肘(ひじ)に巻き付けていませんか? あれ、最悪です。 内部の銅線がねじれて、すぐに断線します。
「八の字巻き(順巻き・逆巻き)」を覚えましょう。 ケーブルのクセ(ねじれ)を取りながら巻くことで、次回使う時もスルッと伸びて、断線も防げます。 これができるだけで、バンドメンバーから「おっ、こいつ出来るな」と思われますよ。
まとめ:ケーブルへの投資は「保険」である
数万円のエフェクターを買うお金があるなら、そのうちの3,000円だけでいいので、ケーブルに使ってみてください。
「ノイズが消えた!」 「音が太くなった!」
その感動は、新しいエフェクターを買った時以上の衝撃かもしれません。



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