ファズって何?
「ジミヘンのような音が欲しい!」と思ってファズを買ったのに、家で弾いたら「ブチブチ言うだけで全然伸びない…」と絶望したことはありませんか?

「故障かな? 使い方が悪いのかな?」
安心してください、正常です。 ファズは、エフェクターの中で最も「扱いが難しく、かつ中毒性が高い」機材です。
今回は、この厄介な「歪みの原点」について、中古エフェクター専門店が本音で解説します。 歴史なんて覚えなくてOK。 「あなたに合うファズはどれか?」 これだけを持ち帰ってください。
1.ファズとは「アンプが壊れた音」である
そもそもファズ(Fuzz)とは、「毛羽立った」「曖昧な」という意味です。 1960年代、まだエフェクターがなかった時代。 あるギタリストのアンプが故障して、「ジジジ…」という汚いノイズが出ました。 「え、この音カッコよくない?」 そうして生まれたのが、世界初の歪みエフェクター「ファズ」です。
つまり、ファズの正体は「電気的に無理やり音をぶっ壊したサウンド」なのです。 だから、オーバードライブのような「綺麗な歪み」を求めて買うと、100%後悔します。
2.2大巨頭「マフ」と「フェイス」を知れ
ファズには星の数ほどの種類がありますが、初心者はまずこの2つの派閥だけ覚えてください。 ここを間違えると、あなたのギター人生が狂います。
① Big Muff(ビッグマフ)系
・特徴: 「ジャーン!」と踏むだけで、誰でも簡単に壁のような轟音が出せる。サステイン(音の伸び)がめちゃくちゃ長い。
・代表機種: Electro-Harmonix / Big Muff Pi
・おすすめな人: シューゲイザー、グランジ、オルタナティブ・ロックが好きな人。
② Fuzz Face(ファズフェイス)系
・特徴: 「ブチブチ」とした荒い音。そのまま弾くと使いにくいが、**ギターの手元ボリュームを少し絞ると、極上のクリーントーン(鈴鳴り)**に化ける。
・代表機種: Jim Dunlop / Fuzz Face Mini
・おすすめな人: ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ブルースロックが好きな人。
「マフ」は踏むだけでOK。 「フェイス」はギター本体の操作が必要。 初心者が最初に買うなら、圧倒的に「Big Muff」をおすすめします。扱いやすさが段違いです。
3.中古ショップ店員が教える「選び方」
ファズ選びは、沼です。 何十万円もするヴィンテージもあれば、数千円の新品もあります。 失敗しないためのポイントは3つです。
① 「ゲルマ」か「シリコン」か
ファズの中身(トランジスタ)の話です。
- ゲルマニウム: 温かくて太い音だが、気温に弱い(夏と冬で音が変わる)。
- シリコン: ジャリッとして攻撃的な音。安定している。
最初は管理が楽な「シリコン」搭載モデルを選びましょう。
② 接続順に注意!
前の記事でも触れましたが、特にFuzz Face系は「一番最初(ワウよりも前)」に繋がないと、本来の音が出ません。 「買ったけど音がショボい」という人は、接続順を見直してみてください。
③ 「Nano」や「Mini」を狙え
本家のBig MuffやFuzz Faceは、弁当箱くらい巨大です。 最近は中身が同じでサイズが小さい「Nano Big Muff」や「Fuzz Face Mini」が出ています。 ボードに組み込むなら、迷わず小さい方を選びましょう。音はちゃんと本家の味がします。
4.これを買えば間違いない!名機3選
1.Electro-Harmonix / Big Muff Pi (Nano)

- 【轟音の代名詞】 何も考えずに踏めば、あの「轟音」が出ます。 ディストーションの延長として使えるので、初めてのファズに最適。 中古市場にも溢れているので、安く手に入ります。

2.Jim Dunlop / Fuzz Face Mini (FFM3)

- 青い丸い顔。シリコン・トランジスタ仕様なので扱いやすく、音も安定しています。 ギターのボリュームを絞って「鈴鳴りサウンド」を作れた瞬間、あなたはもうファズの虜です。

BOSS / FZ-1W (Fuzz)

- 【現代の最適解】 「ヴィンテージの音は欲しいけど、ノイズやトラブルは嫌だ」 そんな贅沢な悩みを解決するBOSSの技ありペダル。 スイッチ一つで「ヴィンテージ風」と「モダン風」を切り替えられる、まさに優等生ファズです。

まとめ:不便さを愛そう
ファズは、不便です。 ノイズは出るし、他のエフェクターとの相性も悪いし、音作りも難しい。
でも、その「言うことを聞かない暴れ馬」を乗りこなして、爆音を鳴らした時の快感は、他のエフェクターでは絶対に味わえません。
「優等生な音には飽きた」 そんなあなたの野生を呼び覚ます1台を探してみませんか?



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