黄色いボディに、3つのツマミ。 楽器屋に行けば必ず隣同士に並んでいる2つのペダル。
- BOSS / OD-3 (OverDrive)
- BOSS / SD-1 (Super OverDrive)

「見た目も名前もそっくりだけど、何が違うの?」 「初心者は安いほう(SD-1)でいいの?」
この2つは、見た目こそ似ていますが、中身は「全く別の生き物」です。 もし間違えて買うと、「音がこもる!」とか「バンドで音が聞こえない!」と後悔することになります。
今回は、中古エフェクター専門店が、この永遠のライバルの「決定的な違い」と、「あなたの用途に合うのはどっちか?」を本音で解説します。
1.BOSS OD-3:ワイドレンジな「最新のスタンダード」
まずは、少し値段が高い方のOD-3から。 このペダルの特徴を一言で言うなら、「アンプそのもの」です。
低音が削れない(ワイドレンジ): 古いペダルにありがちな「踏むと音が軽くなる」現象がありません。ズシッとした低音が出ます。
倍音が豊か: ジャラーンと弾いた時の「響き」が綺麗です。
単体で歪む: これ1台で、クランチからハードロック手前までカバーできます。
JC-120(ジャズコ)のようなクリーンなアンプを、「真空管アンプのような太い音」に変えたいなら、迷わずこちらです。 3ピースバンドのギターボーカルなど、音の隙間を埋めたい人には最強の相棒になります。
2.BOSS SD-1:中域特化の「職人ブースター」
次に、安い方のSD-1(スーパーオーバードライブ)。 「スーパー」と付いていますが、実はOD-3より古い設計(1981年発売)です。 しかし、だからといって劣っているわけではありません。
低音が削れる(ローカット): 一見デメリットに見えますが、これがバンドでは「スッキリして抜けが良くなる」という魔法に変わります。
中域(ミッド)が出る: ギターのおいしい帯域がガツンと前に出ます。
最高にタイト: 大音量のアンプをプッシュする「ブースター」として使うと、右に出るものはいません。
単体で歪ませると少し「鼻詰まり」な音に聞こえるかもしれませんが、バンドの中でソロを弾くと、驚くほど音が前に飛んできます。 これは「外科手術用のメス」のような、鋭いペダルです。
3.【比較表】どっちが自分に合っている?
| 機種 | OD-3 (OverDrive) | SD-1 (Super OverDrive) |
|---|---|---|
| 音の傾向 | ・ドンシャリ・ワイド (上から下まで全部出る) | ・カマボコ・ミッド (中域に集中、低音カット) |
| 歪みの量 | 結構歪む(メイン歪みOK) | 控えめ(ブースター向き) |
| 得意技 | コード弾き、バッキング | ギターソロ、ミュート刻み |
| 相性の良いアンプ | JC-120(硬い音を太くする) | Marshall(歪んだアンプをさらに押す) |
| おすすめな人 | 初心者、ギターボーカル | 中級者、リードギタリスト |
4.中古ショップ店員の「本音」アドバイス
ここからは、私が店頭でお客さんにアドバイスしている内容です。
初心者は「OD-3」から入れ!
初めてのエフェクターなら、OD-3を買ってください。 理由は、「1台で完結するから」です。 SD-1はアンプとの組み合わせを考える必要がありますが、OD-3はどのアンプに繋いでも「イイ音」にしてくれます。 値段は少し高いですが、長くメインとして使えます。
アンプが歪むなら「SD-1」一択!
もしあなたが、スタジオのマーシャルアンプを歪ませて使っているなら、SD-1を買ってください。 SD-1のGAINをゼロ、LEVELをマックスにして踏むと、アンプの音が引き締まり、プロのような「ザクザクした音」になります。 この使い方はOD-3にはできません(低音が出すぎて音がボワつくから)。
まとめ:似ているのは色だけ。役割で選ぼう
- 太い土台を作る「OD-3」
- 鋭く切り込む「SD-1」
この2つはライバルというより、「盾」と「剣」のような関係です。 自分のプレイスタイルに合わせて選べば、どちらも間違いなく名機です。
ぜひ自分の耳で、この「決定的な違い」を体感してみてください。



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