【伝説の緑】Ibanez TS9はなぜ「世界標準」なのか?初心者が誤解する「鼻詰まりサウンド」の正体と、プロ直伝のブースター活用術

【レビュー】Ibanez TS9は音がショボい?初心者が知らない「ブースター」としての真価

ギタリストの足元にある「緑色の箱」。 世界で最も有名なオーバードライブ、Ibanez TS9 Tube Screamerです。

しかし、初心者が憧れてこれを買い、家の練習用アンプに繋いだ瞬間、多くの人がこう思います。

「……あれ? 音がモコモコする?」 「全然歪まないし、なんか鼻詰まりみたいな音なんだけど……」

安心してください、それは正常な反応です。 実はこのペダル、単体で「激しいロックサウンド」を作るものではありません。

今回は、なぜこの「モコモコする箱」が、スティーヴィー・レイ・ヴォーンから現代のメタルギタリストまで愛され続けるのか? 中古エフェクター専門店が、その「真の使い方(ブースター)」を徹底解説します。

目次

1.「中音域(ミッド)」の魔法を知っていますか?

TS9の最大の特徴、それは「低音と高音をバッサリ削り、中音域(ミッド)を強烈に持ち上げる」という特性です。

初心者が一人で弾くと、この音は「レンジが狭くてショボい音」に聞こえます。 しかし、バンドの中に入ると話は別です。

バンド内での役割

ベース・ドラム: 低音を担当

シンバル・ボーカル: 高音を担当

ギター(TS9使用): 空いている「中音域」にスポッとハマる!

つまり、TS9を踏むということは、音量を上げなくても「ギターの音が一番聞こえやすい帯域に移動する」ということなのです。 これを「音抜け」と呼びます。ソロで踏むと音が前に飛んでくるのは、この「中音域の魔法」のおかげです。

2.9割のプロはこう使う!「ブースター」としてのTS9

TS9の真骨頂は、メインの歪みではなく、「アンプや他のペダルを助ける裏方(ブースター)」として使った時に発揮されます。

ハードロックやメタル、ジェント(Djent)系のギタリストがこぞってTS9を使うのは、歪ませたいからではありません。「低音を締めるため」です。

STEP
セッティングDRIVE:0(ゼロ) / LEVEL:MAX(最大) / TONE:お好み
STEP
繋ぎ方 :激しく歪ませたアンプ(またはペダル)手前に繋ぐ。
STEP
効果:ボワついた低音がカットされ、ザクザクとした刻みリフが気持ちいい、タイトなモダンヘヴィネスサウンドに変身!

「歪みゼロ・音量マックス」。 このセッティングこそが、TS9を世界標準にした黄金のレシピです。騙されたと思って試してみてください。

3.「TS9」と「TS808」どっちを買えばいい?

マニアの間で永遠に議論されるテーマ。「TS9(ナイン)」と「TS808(ハチマルハチ)」の違い問題です。

モデル

TS9

TS808

特徴

エッジが効いていて、少し現代的で明るい音

まろやかでヴィンテージライク。少し重心が低い

おすすめな人

ロック、ポップス、ブースター用途

ブルース、単体でのクランチサウンド

正直に言います。バンドで混ぜれば、聴衆には違いなんて分かりません。 TS9の方が中古の流通量が多く、値段も手頃です。 「スティーヴィー・レイ・ヴォーンになりたい!」という強いこだわりがなければ、まずはTS9を手に入れることを強くおすすめします。

4.中古ショップ的視点:TS9は「通貨」である

私たちのような店にとって、TS9はもはやエフェクターというより「通貨」に近いです。 いつでも売れて、いつでも買い取れる。

とりあえず買っておいて、損をすることは絶対にない。

もし使ってみて「やっぱり自分には合わないな」と思っても、メルカリやショップですぐに現金化できます。 需要がなくなることがない、世界で一番安全な機材投資。それがチューブスクリーマーです。

まとめ:いつか必ず「必要になる日」が来る

初心者のうちは、TS9の良さが分からないかもしれません。 「もっと激しく歪むやつがいい!」と思うでしょう。

でも、ギターを続けてバンドを組み、ライブをするようになると、必ずこう思う日が来ます。 「なんか自分の音が埋もれて聞こえないな……」

その時こそ、押し入れにしまった緑色の箱を取り出す出番です。 TS9は、あなたが「ギタリストとして成熟した時」に、最高の相棒になってくれます。

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