
エフェクターおける電源の重要性
エフェクターはエレキギターの音色を多彩に変化させるための必須アイテムです。そのエフェクターに必ず必要となるものがエフェクターへ安定したエネルギーを供給する役割を果たす電源!
「電源はなんでもいいでしょ!」なんて思っているそこのあなた!
エフェクターの音質を最大限に引き出すためには、電源の選び方が極めて重要ですし、電源の選択を誤ってしまうとエフェクターが故障してしまうこともあります。
本記事では、電源がもたらす音の変化から最適な電源選びのポイントまで詳しく解説します。
あなたの電源本当に大丈夫?
エフェクターの電源って適当に選んでも問題なく動くでしょ?
そう思っているあなた、今一度自分の持っているエフェクターと電源を確認して見てください。
実はそうでもないのです!次の3つの項目を確認して見てください。
そのエフェクターに必要な電圧は?
まずは、次の2つのエフェクター【BOSS DS-1】と【FREE THE TONE FT-1Y】を見ていきましょう。

まずは、DS-1ですが、こちらは『DC9V』と記載がありますね!皆さんのエフェクターもほぼこのように書いてあると思われます。一方、FT-1Yはどうでしょうか・・・・

FT-1Yには『DC12V』と記載があります!9Vの電源では正常に動きません。

この例のように、エフェクターごとメーカー推奨の電圧が存在するので必ず確認しましょう。
余談ですが、エフェクターによっては9~18Vというように幅を持たせてある場合があります。その場合、その範囲であれば駆動しますし、電圧によって音質が変化しますので比較してみると面白いですね!
電流不足になってない?
例えば、次の2つのエフェクター【BOSS DS-1】と【ZOOM MS-50G+】はどちらも『DC9V』と記載がありますが、9Vあれば必ず動作するというわけではありません。


それぞれの消費電流は
DS-1 → 10mA
MS-50G+ → 150~200mA程度 ※正確な値は不明・参考値
アダプターを使用する場合、出力電流容量の値がエフェクターの消費電力を上回っているかを確認しましょう。


ACアダプター端子の種類はあってる?
アダプターの端子は極性の違いで2種類存在します。ほとんどが『センターマイナス』だと思いますが、たまに『センタープラス』のものが存在します。
※実はエフェクターが特殊でセンターマイナスが多い
次のマークがエフェクター側とアダプター側にありますので同じかどうかからなずチェックしてください。



電源は大きく分けて3種類ある
電源を選定する場合大きく分けて次の3種類の選択肢があります。
- 電池
- 電源アダプター
- パワーサプライ
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを考察していきます。
電池について

メリット
- 電源が独立しているため、AC電源由来のノイズを受けにくい。特にビンテージ系やブースター、ファズなどで好まれます
- コンセント不要で、どこでも演奏可能
- ケーブルや機材が少なく済む
デメリット
- 電池が切れるたびに交換が必要で、コストがかかる
- ライブ中に電池が切れると致命的
- 残量が減ると電圧が下がり、音が変化することがある
電源アダプターについて

メリット
- 電池を買い続ける必要がなく、長期的にはコストが安い
- 電池切れの心配がない
- コンセントに挿すだけで使える
デメリット
- 質の悪いアダプターや他機材との干渉でハムノイズが出る場合がある
- コンセント位置に依存する
- エフェクターが増えると、アダプターの数も増えてごちゃごちゃしやすい
パワーサプライについて

メリット
- 1つのパワーサプライで複数のエフェクターに電源供給可能
- 高品質なものは出力が独立しており、グラウンドループやノイズの発生を防げる
- ライブやプロ現場でも安心できる電源供給
- 9Vだけでなく、12Vや18Vなどにも対応できるモデルもある
デメリット
- 電池や単体アダプターより初期投資が必要
- ボードに組み込むと重くなることがある
- セッティングにケーブルが増える
パワーサプライについて深堀
パワーサプライの役割と選択時の注意点
エフェクターボードを構築する際、複数のエフェクターを効率よく駆動させるために用いられるのがパワーサプライです。パワーサプライは、コンセントから供給される電気を複数のエフェクターに分配する機能を持ち、ノイズを最小限に抑えつつ安定した電力を供給します。
選択時には、使用するエフェクターの電流容量を合計で計算し、その値をパワーサプライの最大出力容量が超えていないか確認することが重要です。高性能なデジタルエフェクターほど消費電流が大きいため、余裕を持った電流容量の製品を選ぶことが推奨されます。
また、安価なパワーサプライはノイズ耐性が低い場合が多く、ライブやレコーディングでの音質に影響を及ぼすことがあります。信頼性の高いメーカーの製品を活用することで、トラブルを回避することができます。
分岐型と専用型パワーサプライの利点と欠点
パワーサプライには主に分岐型と独立型(アイソレート型)という2つの形式があり、それぞれに利点と欠点があります。
分岐型は、1つの電源出力を複数のエフェクターに接続するケーブルを使用して電力を共有する方式です。低コストで導入できる点が魅力ですが、デジタルエフェクターとアナログエフェクターを混在させるとノイズが発生するリスクがあります。また、全体の消費電流が基準値を超えると電力不足に陥る可能性もあります。
独立型パワーサプライは、各エフェクターに独立した電力供給を行う方式です。これによりノイズが発生しにくく、デジタルエフェクターを複数使用する際にも安定した電流を供給できます。一方で、コストが高く、重さやサイズが大きい製品もあるため、使用状況に応じた選択が求められます。
電源でどれだけ音質が変わるのか?
実際に聞いて比べてみよう
音の捉え方は人によって違うので、実際に聞いて比較し、自分に合ったものを選択しましょう!
ユーチューブを漁っていたらbenimaruさんが電源と音質の変化を検証されていたので共有いたします。実際に機材を用意して比較するのは非常に骨が折れますので大変助かります。ぜひ参考にしてみてください。※ヘッドフォンなどを使用してよい音質で聞くことを推奨
まとめ
- エフェクターの必要な電源条件と合致しているか確認する
- パワーサプライ≧電池>電源アダプターの順でおすすめ
- パワーサプライを導入するなら独立型がおすすめ
- 信頼の高いメーカーのものをおすすめ
いかがだったでしょうか!少しでも参考になれば幸いです。良いギターライフを!
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